SELECT LENGTH('🙆‍♀️')= 4 ←???

前田 健太郎

前田 健太郎

#Snowflake

LENGTH関数を絵文字に使うと発生する問題

LENGTH関数は一部の絵文字や外国語(書記素クラスタ)を正しくカウントできない

絵文字だけならともかく、フランス語や韓国語などのメジャーな言語でも問題は発生する。

解決策

正確性が必要な場合、PythonなどのUDFでカウントする必要がある

以下のように正しく文字列をカウントするUDFを作る。

CREATE OR REPLACE FUNCTION COUNT_GC(s varchar) returns number language python runtime_version = 3.11 packages = ('pyicu') handler = 'count_grapheme_clusters' as $$ import icu def count_grapheme_clusters(s): iter = icu.BreakIterator.createCharacterInstance(icu.Locale("ja_JP")) iter.setText(s) return sum(1 for _ in iter) $$;

実験

絵文字や外国語の文字数を測ってみた。面白い。

OCTET_LENGTHは半角文字は1文字1バイト、全角文字は1文字3バイト(日本語)、絵文字は1文字4バイトという認識が一般的ですが、書記素クラスタの前には無力です

UDFでカウントしたときだけ正しい結果が得られます

なぜこんなことになるのか

書記素クラスタをLENGTH関数が正しくカウントしないからです。

Unicodeには複数のUnicode文字(コードポイント)から作成された文字があり、これを書記素クラスタ(Grapheme clusters)と呼びます。

書記素クラスタの例

  • "🙆" 1コードポイント
  • "U+200D" 1コードポイント
  • "♀" 1コードポイント
  • "U+FE0F" 1コードポイント

=> 🙆‍♀️ 4コードポイント

Unicodeの標準によると書記素クラスタは1文字として表示し、1文字としてカウントすべきとされています。[1]

プログラマがユーザーに文字数を提供する必要がある場合、その数は書記素クラスタの境界によって区切られたセグメントの数に対応するべきです。

しかし、追加の実装なしで対応できるフレームワークはほとんどないのが現状です。

Python3.11のlen関数もコードポイントの数で出力されます。

現状では、絵文字や外国語を含むカラムの文字数を正確にカウントするにはUDFが必要です。

結論

文字列をカウントするときには、絵文字や外国語が含まれていないかどうかに注意。

追記

Polar Bearは4だった🫠

SELECT LENGTH('🐻')=1 SELECT LENGTH('🐻‍❄️')=4

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